07 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 09

Quiet Day

「BANANA FISH」二次元妄想小説サイト。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

--

インタビュー 

※『終わりなき夜に』のエピローグ編です

こんにちは。
初めまして…ではないですね?

ああ、やっぱり。
個展のときに取材にいらしたかたですね。
あのときはいい記事を書いて下さって、ありがとうございます。

…ああ、ネットのうわさのことなら、耳に入ってます。
ぼくの個展に展示されたある写真の被写体が、
過去の少年犯罪者にとてもよく似ていると。

あれは、今はもう亡いぼくの親友の写真です。

彼はわがままで、皮肉屋で、
だけど神様がつくったどんな人間より美しい、
かけがえのない人でした。

自分ではわからないけれど、
彼の死後、ぼくはとても変わったそうです。
たぶん彼は、ぼくの一部も連れていってしまったのでしょう。

彼を失ったあと、ぼくはただ街をうろついて写真を撮り、
働いて、食べて、眠りました。
でも、どんなに手堅い日常を積み重ねても、
ときどきふっと現実が遠ざかる。
どうしようもなく独りだと思ってしまう。

いま思い返すと、あの頃の自分はあいまいで、
その先につながるものを何ひとつもたない、
かたちのない生きもののようでした。

そんなとき、ある友人がぼくに言ったのです。
彼は先に行ってしまっただけだと。
いつかきっと、また会えるのだと。
その言葉は思いがけないほど、ぼくの心を慰めました。

大切な人が自分を待っていてくれると思うのは、いいものです。
いつかぼくの生が終わるとき、彼がそこにいてくれるのなら
ぼくはこの人生で見つけた良いものを集めて、
贈りもののように彼へ届けてあげたい。

子どもじみた考えかもしれませんが、
そう思うことでぼくはやっと、
次の扉に手をのばす勇気がもてたのです。

共に過ごした短い日々の中で、ぼくは彼にいくつか約束をしました。
へたくそなピアノを聞かせること。
ぼくの故郷へ連れていくこと。
ずっとそばにいること。

ぼくはそれを、ひとつも守ることができませんでした。
ほんとうに、何ひとつ。
だから、この約束だけは守らなくちゃいけない。
これは誓いであり、契約なんです。

写真を撮り続けるのは、だからです。
ぼくは今でもレンズをのぞくとき、
かつて彼が照らしてくれた光のなかで、
この街を、世界を見ているのです。

狂ったように夜の街を走る車の窓から見た高架線。
図書館のそばの屋台からただよう、プレッツェルの香り。
フェリーからながめた美しき女神。
きっと、何十年たっても忘れないあの日々。

きれいは汚い、汚いはきれい。
みんな、彼が教えてくれました。

だからその日までは、ぼくは自分の中の生を生きてゆきます。
過ぎていく時間のすきまや、光のなかに目をこらして。
カメラのファインダーごしにみえる一瞬を、
永遠に見せるまねごとをしながら。


━ いつか、会えるに違いないと。

END


昨年秋からずっとPCの中に眠っていた駄文を、やっと完成させて放出することができました。
ああ、すっきりしたー!

Posted on 2011/05/21 Sat. 01:11 [edit]

category: BANANA FISH(創作)

thread: 二次創作小説(版権もの  -  janre: アニメ・コミック

TB: --    CM: 5

21

コメント

美しいメロディーのような 

素敵なお話ですね。
私も、きっといつの日か、亡くなった父や愛犬に
会える日が来ると思ってます。
だからきっと英二も、アッシュに会えることでしょう・・・

URL | yukino #- | 2011/05/21 13:42 | edit

ご訪問とコメント、ありがとうございます(^^) 

推測ですが、私と同じく突発的な周期で
何度もBANANAにハマっていらっしゃるような…
私の場合、だいたい1~2ヶ月もすると落ち着いて、
次の周期を待つのが常なのですが(発情期か!)、
今回は半年以上も熱が続いている状況です。
二次小説が新鮮だったというのもあるのですが、
何よりもこうやって拍手や感想のコメントをいただくのが嬉しくて、
また次の話を書こう!というモチベーションにつながった気がします。
今回いただいたコメントも、とーっても励みになりました。
ありがとうございました!
パラレルはまたぜひ書きたいと思っているので、
その折にはどうぞお立ち寄りくださいね。

URL | 東雲 #- | 2011/05/22 22:24 | edit

Re: 美しいメロディーのような 

いつもお優しい感想をありがとうございます、yukinoさん(T_T)
今回のBANANA大回転は『光の庭』から入ったので、
あの完璧なストリーの後日談を書くのはものすごーく腰が引けて
長らく放置プレイとなってしまいました…
今回、曲がりなりにも完成させてアップできたうえに、
こうやって感想までいただけてすごくほっとしました。
ありがとうございます!

ところで、そろそろyukinoさんの復帰時期が近づいてますね♪
無理のないペースで、気軽にヒラリと戻ってきてくださいね。
ほんとに!心から!楽しみにしております!!

URL | 東雲 #- | 2011/05/22 22:32 | edit

東雲さんの英二ファンv 

長編完結お疲れ様でした!

私は、「光の庭」は、あの作中で何かが始まったのではなく、終わったのでもないと思っています。
なんていうか、ゆっくりとした時の流れの一片のような気がして。
英二はあれまで立ち止まっていたのではなく、
あれで完全になにか折り合いをつけたわけでもなく、
ちょっとずつ前に進んでいく、ひとつの過程を見せてくれたんじゃないかなと思っています。
その過程を、ファンとしてはもう少し見たかったというのが本音でして・・・
番外編でほんとはもっと長編だったって吉田先生が言ってましたよね。
そのままでよかったのにってすごーく思ってました。

なので、今回東雲さんがその「過程」を丁寧に書いてくださって、ほんとに嬉しかったです^^
そして、やっぱり東雲さんの英二は強くて潔くて最高ですv

また、新作もお待ちしております!

URL | きいろ #tNbAf7jk | 2011/05/24 23:56 | edit

Re: 東雲さんの英二ファンv 

さすがきいろさん、原作の読みが深いですわ…
BANANAファンなら誰にとっても特別なストーリーである『光の庭』を元に
半端な二次小説を書いてしまって、実はけっこうびくびくしてたのです^^;
なのに、こんなにあたたかい感想をいただけて、とーっても嬉しいです!
ありがとうございます~

『光の庭』は、当初は単行本一冊ほどのボリュームがあったんですよね。
もちろん、あれはあまりにも完璧なアナザーストーリーで、
大幅カットの影なんて一切感じさせないところが素晴らしいんですけど、
ファンとしてはその大長編が読みたくてたまりません!!
英二のプライベートや、シンとの関わりも、
もっと掘り下げて描かれていたんでしょうねぇ…む、無念だー!!

URL | 東雲 #- | 2011/05/25 23:09 | edit

Comment
list

コメントの投稿

Secret

Comment
form

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。