09 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 11

Quiet Day

「BANANA FISH」二次元妄想小説サイト。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Posted on --/--/-- --. --:-- [edit]

category: スポンサー広告

TB: --    CM: --

--

図書館で 

-注:アッシュの死です-

やっとたどりついた図書館の室内は、
明るい光に満ちていた。

身体中の血が流れ出ていくのがわかった。
苦痛が絶え間なく肌の下をとびはね、
わきあがるうめきをかみ殺す。

死。

アッシュはそれが今度こそ自分をとらえ、
連れ去ろうとしているのを知った。

震える手で、握りしめていた手紙をひらいた。
かすむ目を無理にこらし、必死に文字を追う。
彼のことばを余すことなく、身体にきざみこむように。

━その銃、ホンモノだよね?━

黒い瞳、黒い髪。
おかしなアクセントのへたくそな英語。

その異国から来た少年は、このバカげた生のなかで
アッシュが命をかけて守ろうとした、たったひとりの人だった。

まぶたの裏が熱くなり、文字がぼやけた。
手紙をかざし、そっとふれるだけの小さなキスを落とす。

伝えればよかったのかもしれない。
愛していると。

いつからなのかはわからない。

もしかしたら、それは彼があざやかに空を舞うのを
見たときかもしれない。
それはショーターを…親友とよべるはじめての人間を
葬った痛みを共有したときかもしれない。

きっかけは知らない。
思い出せない。

気づかぬうちにそれは彼をとらえ、彼の人生をあたたかな光で照らした。
そしてその光は、いまなおアッシュを包んでいる。

彼の頭が少しずつ傾いだ。
図書館の窓から、くすんだ青い空がみえた。
雲が細くたなびき、ゆるやかに旋回している。

英二はいまごろ、あの空から故郷へ…家族のもとへ向かっている。
自分が足を踏み入れることのなかった、約束の地。
そこには銃も闘いもない。

アッシュは微笑んだ。
英二と自分の距離が遠ざかるほどに
彼が安全であることが、ただ嬉しかった。

血はとても赤く、あたたかい。

アッシュは目を閉じた。
彼は満たされ、とても疲れていた。
ゆっくり眠れるのは、すばらしいことだった。

END

Posted on 2010/10/04 Mon. 21:00 [edit]

category: BANANA FISH(創作)

thread: 二次創作小説(版権もの  -  janre: アニメ・コミック

TB: --    CM: 2

04

コメント

はじめまして 

はじめまして、BANANA FISH memoriesというバナナブログをやっておりますyukinoと申します。
芙月さんのブログでこちらを知り、訪問させていただきました。
このお話、とても胸に響きました。アッシュの心の声が聞こえるようです。ラストもとてもよかったです。
素敵なバナナブログが増えたこと、とてもうれしいです。これからも私たちを楽しませてくださいね。

URL | yukino #- | 2010/10/05 01:22 | edit

Re: はじめまして 

コメント、ありがとうございます!
yukinoさんのサイトはもちろん知って…というか、
今回のBANANA大回転で、最初にたどりついたサイト様なのです。
こっそり傑作ボタンをポチったりするだけの、名もなき訪問者ですが^^;

それが今度は感想コメントをいただけるなんて!
いやー、回ってみるものですねぇ。
駆け出しながら、これからもぼちぼちと更新していきますので、
よろしければまたご訪問くださいね。
わたしも今度は図々しく名乗っておじゃまさせていただきます(^^)

※あ、東雲というハンドルは、ちょうどブログを立ち上げるときに
 『熱海の捜査官』最終回をみており、ついそこから拝借してしまいました。安易…

URL | 東雲 #MByLbG9. | 2010/10/05 21:43 | edit

Comment
list

コメントの投稿

Secret

Comment
form

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。